年賀状ソフトと私

これから年賀状のシーズンということで、年賀状印刷ソフトを取り上げる機会も多いのですが、年賀状印刷ソフトというテーマは私個人にとって思い出深いものがあります。というのも、学校を出て最初に就職した会社が日本でも最初にパソコンで毛筆体を使って年賀状を印刷するソフトを開発していた会社の一つだったからです。その会社は、バブル期にTVのCMどんどんやって一躍有名になった某証券会社の子会社なのですが、そこの会長にある日社長が呼び出され「キミ、パソコンで印刷する文字は味気ないね、毛筆で印字するソフトを開発してくれないかね」というツルの一声で開発することになりました。私は主にそのソフトの直接の担当になったことはないですが、印刷テストとか入力テストとかいろいろと手伝わされました。一番大変だったのは字体の作成です。当時は毛筆字体が標準でついてくるWindowsは無くて、自社で字体を作ったのですが、コンピュータで使う日本語の文字は7000字近くあり、書道の先生に書いてもらった字をコンピュータに入れて汚れやしみをとるのは大変な作業でした。でも、バブル崩壊とともに親会社も傾き、私の会社も私はもちろん社長まできれいさっぱり一人残らずクビになり、そうした苦労も結局海の藻屑となってしまったのです(高井)。

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