真っ先に向かったのは「笹川流れ」。
水底まで見えんばかりの透き通った海の碧さに目を奪われて時間を忘れ、「自然をちゃんと見る時間って大切だな」とつくづく感じさせられました。数千年かけて削られた岩の形には、人の時間の短さと自然の偉大さを思い知らされました。みんなで同じ風を感じながら景色を眺めていた時間が、何よりの思い出です。
次に向かったのは「イヨボヤ会館」。ここは、日本初の鮭の博物館として知られています。
村上の人たちが長い年月をかけて鮭とともに暮らしてきたことに感動しました。自然を守りながら生きる知恵の大切さを改めて考えさせられました。また、映写コーナーでは、清流をさかのぼる鮭の姿に、どんなに遠く離れても帰る場所があることの尊さを感じました。「命の旅」は私たちの生き方そのものかもしれませんね。
三面川における鮭の遡上は、過去においては1日に 500~600尾 程度の採捕があったとのことですが、本年は残念ながら、その数十分の1程度まで落ち込んでいるらしく、川の濁り・豪雨など自然環境の変化が鮭の遡上・産卵環境に影響を与えているのではないか⁉とのことでした。
お昼ごはんは、前回ツアーの反省を踏まえての企画だったこともあって、大好評でした。和食シェフの兄、イタリアンシェフの弟、そんなご兄弟が切り盛りするレストランでの昼食は、地元・村上の海の幸、山の食材が使われ、刺身の盛り合わせは鮮度高く、茶碗蒸しまでついたランチセットで満足感たっぷり。お昼時には行列のできる口コミ人気店ですが、お座敷の広間でゆったり安心、非日常を感じられるひとときでした。思いがけず食後デザートの追加注文で「和」と「イタリアン」を存分に堪能しましたが、くつろぎ過ぎで時間オーバー!のうっかりミスがおまけでした。
午後からは「むらかみ町屋巡り」でした。新潟県村上市の町屋通りを歩くと、江戸の風情が今も静かに息づいているのを感じます。格子戸越しに見える中庭や、通りに面した店先ののれん、木の香り漂う空気がどこか懐かしく、心が落ち着きます。観光地でありながら、住む人々の暮らしが自然に溶け込み、訪れる人をやさしく迎えてくれるのもこの町の魅力です。町屋カフェで味わう地元のお茶や和菓子も格別で、時間を忘れて過ごしてしまうほど。古き良き日本の姿と、人のぬくもりを同時に感じられる村上の町屋巡りは、「また帰ってきたい」と思わせてくれる特別な体験でした。